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戦慄の恐怖『異色短編集』は藤子・F・不二雄作品の中で、ドラえもんより面白い。【漫画魅力紹介】

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©藤子プロ・小学館



  

どうも! 魁堵(かいと)です!

 

実は「ドラえもん 」がめちゃくちゃ好きで、

当然の様に 藤子・F・不二雄 先生も大好きな私。

ドラえもんや、キテレツ大百科オバケのQ太郎など有名どころはたくさんありますが、個人的にはダークでブラックなF先生が秀逸だと思っております。

  

その中でも.F(すこしふしぎな)シリーズで文庫化された、

SF・異色短編

通称:大人のファンタジーSFの中身をふまえて簡単に紹介したいと思います。

 

さぁ、F先生のブラック感を味わおうか。

 

藤子・F・不二雄『異色短編集』とは?

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©藤子プロ・小学館

 

 1977年から1987年にかけて『ビッグコミック』や『S-Fマガジン』掲載された52話を文庫本4巻に収録しています。

 収録内容としては、コメディタッチは完全にゼロで救いようのない話から、SF(すこしふしぎな)世界観で楽しめる内容となっています。

 そして、藤子不二雄A先生の様なダーク感たっぷりのお話が社会風刺を交えて表現しているのが特徴です。 

 

『異色短編集』1巻|ミノタウロスの皿 

 

劇画・オバQ」(第6話)

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©藤子プロ・小学館

 

未来のオバケのQ太郎

舞台は本編の物語から15年後の世界。

 オバケ学校を卒業したQちゃんはオバケ銀行への就職が決まっているが、面白いコトを探しに人間界に降り立った。

その後に、大人になった正ちゃんと出会って、感動の再会を祝して家に招待される。

 Qちゃんが来たことで、いつもいたメンバーが集まり遊んだりや、ご飯を食べたりしてドンちゃん騒ぎをしたが、大人になり社会人となった正ちゃんとの間に大幅な価値観のずれが生じて、オバケの世界に戻ってしまうって哀愁感マックスのお話。

 正ちゃんの奥様が「ねえ、なんとかしてよ。毎食20杯でしょ、マンガならお笑いですむけど現実の問題となると深刻よ。」というセリフはF先生異色漫画では名言となりました。世知辛い。

 

ミノタウロスの皿」(第9話)

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©藤子プロ・小学館

 

人間が家畜、牛が人間

 宇宙船が事故を起こし、運よく地球に似た惑星に不時着した世界が舞台。

主人公はなんとか生き延びて「ミノア」という少女に救出される。

 この星では、牛に似ている種族が支配する世界であり、彼らは人間に似ている種族を家畜として育てているというのだ。

 自分がいる地球との逆転の環境の世界に壮絶するが、主人公は助けてくれた「ミノア」にだんだん惹かれていく。

 だが、「ミノア」は家畜の中でも特に優秀な食用種であり、最高級の食材である「ミノタウロスの皿」に選ばれており、全民衆の祭典で食べられる運命にあると知る。

 その祭典で歓喜に満ちている「ミノア」を助け出そうと奮闘するが全く牛たちは聞く耳を持たない。何とかしようと頑張ったが祭典を通常に行われ「ミノア」は食用になる。

 迎えの宇宙船に乗り込み救出された主人公は、「ミノア」を想いながらステーキを頬張るのであった。※アニメ化にもなっている。

 

「ヒョンヒョロ」(第11話)

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©藤子プロ・小学館

 

 最悪のバッドエンド 「ヒョンヒョロ」

  ある日に主人公の子供 "マーちゃん" は「お星さまを拾ったぞ!」「円盤に乗ったウサギさんを見たぞ!」と騒ぎ出すが両親は全く信用しなかった。

 また、マーちゃんはある手紙をウサギから受け取り「字が読めないなら、読んでもらうように言われた」とする手紙を両親に見せて事件が発生。

「きょうはくじょう。ヒョンヒョロをさしださないとゆうかいするてす。マーちゃんどの」といった内容。

 大人は悪戯書きだと信用しなかったが、異生人が姿を現して現実問題になる。

 異星人「うさぎ」はマーちゃんに『ヒョンヒョロ』を渡すように交渉していたことがわかる。銃などが全く通用しない「うさぎ」に対して要求する「ヒョンヒョロ」が何なのかさっぱりわからない大人たち。

 時間が迫っていき、約束の時間に国中の現金を渡すが「紙切れなどではなく『ヒョンヒョロ』を渡せと突っぱねるが、刑事達が『ヒョンヒョロ』が全くわからないと伝えると非常識と捉えた「ウサギ」はブチ切れて予告通り誘拐を行う。

 ブチ切れ後 "マーちゃん" が『空から、ヒョンヒョロと落ちて来たお星さまー!』を見つけたので両親に見せようと町中で叫ぶが、辺りは全て静まり返り、返事はどこからも返って来ないというお話。 怖い。

 

『異色短編集』2巻|気楽に殺ろうよ

 

「定年退食」(第7話)

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©藤子プロ・小学館

 

 近未来の高齢化社会を具現化したリアリティ

息子夫婦と同居している主人公の年齢は74歳。

 間もなく国の「社会保障サービス」の受給権利を打ち切られる「二次定年」を迎えてしまうことになる。

 特別延長者の申請というシステムのチャンスに区役所へ向かうが、抽選であり当選の確率は天文学的な倍率ということで年齢的にも今回がラストチャンスであった。

その時、同じ「二次定年」を迎える友人と居合わせ "なんでも絶対に抽選に当たる方法" という話を聞き奮闘するが…そんなものはないというお話。

 

「分岐点」(第10話)

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©藤子プロ・小学館

 

どんだけやり直しても、分岐の行きつく先は同じ

人生はいくつかの重大な分岐点が存在するというのが話の筋。

 今の生活が満たされないとか過去の選択が失敗だったとか思う時が、人には必ずしもある。それは本当に事実なのか。

 主人公は「今夜こそ帰らない、あんな家には」と、公園で固く決める。主人公には今の生活にかなりの不満があり、誰もが一度は思う脱出をしたがっている自分。

 この生活が満たされないのは過去の選択を誤ったからだと確実に思い、違う選択をしていればと。 そんな中で怪しい一人の男が突如現れる。

 その男は「やりなおしコンサルタント」と名乗り主人公に歩み寄り、彼の「分岐点」に立ち戻って別のルートを歩ませてやるというお話。 

 

「気楽に殺ろうよ」(第12話)

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©藤子プロ・小学館

 

 価値観の違う平行世界での恐怖

 主人公が朝起きてから新聞を取ろうとしたときに、突然に背中から刃物で刺されたような凄まじい痛みが走る。

 その出来事は5分程で終わるのだが、主人公は「この世界はどうなってるんだ?」と疑いを抱くことになる。

 痛みが病気だと思った主人公は、病院にて先生に話をするのだが会話が全く噛み合わない。真相を探ると「価値観が違う世界」になっていることに気づくが、事実を受け入れることができない主人公。

 だけども理不尽な世界に主人公も順応せざる得なくなり、「もういいや、気楽に殺ろう。」と意気込んだのだがその時には元の世界に戻っているというお話。 

 

『異色短編集』3巻 |箱舟はいっぱい

 

「箱舟はいっぱい」(第1話)

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©藤子プロ・小学館

 

映画「2012」を彷彿させる地球崩壊説

 主人公は、隣人である「細川」から「500万円で土地付きの家を買わないか」と相談を受け、 こんな低価額で 「マイホームが手に入るぞ!」と喜んだ。

 だが、後日に「ノア機構」と名乗る謎の男が間違って主人公の自宅を訪ね、何かキナ臭い感じがし始めた。

主人公がいつも様にTVで歌番組を観ていたら司会者が突然に

「彗星が地球めがけて飛来し、人類は滅亡する」と騒ぎ出す。

 今から3年前に彗星が地球に接近しているという情報から、ちょうど3年後である今月末には地球は崩壊するという。 そして「ノア機構」という組織が一部だけの人類を選び出して救おうとしていると。

 それで感づいた主人公は隣人 ”細川" の家に詰めかけて「この!裏切り者!」と殴り掛かり、それが始まりで世の中は大混乱の事態に陥る。

 だが、公式に「ノア機構」自体が世界規模の詐欺グループと判明し、さらに彗星の衝突自体を否定したことで騒ぎは収束に向かい、主人公と「細川」は仲直りをする。

 真実は公式が否定したコト自体が嘘で、彗星は本当に地球に迫っており世界規模の事態がが起きるのは確実であった。

 各国政府は退避用の地下シェルターを秘密裏に用意しており、救える日本人の人数は4万人。ランダムに選びだした世帯だけが対象であり、政府は「ノア機構」騒動を世間に流したってお話。

 

「カンビュセスの籤(くじ)」(第5話)

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この世に生きているという理解 

紀元前のお話。 軍人である主人公は、

 遠征している中で食料が付き、食料難に陥り仲間の一人を犠牲にして食料代わりにしようということで籤(くじ)を引き、当たりが出てしまい "食料" に選ばれてしまう。
 その瞬間に逃げ惑っていると、霧に迷い込み意識を失い、気づいたらベッドの上であり謎の女性「エステル」と出会う。

そこは、紀元前より遥か未来にタイムスリップしていたのであった。

さらにその未来自体も食料難によるミートキューブ祭りであったというお話。

 

「ノスタル爺(じい)」(第7話)

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©藤子プロ・小学館

 

忘れがたき悲しき愛のカタチ

帰郷して墓参りをする主人公。

故郷の村はダムの底であり、当然の様に家族は全員亡くなっていた。

 昔の感傷に浸りながら、辺りを歩いていくと少年時代に「座敷牢」に長年閉じ込められている謎の老人の正体をふと考えてみる。

 度々、老人の行動が主人公の生活を覗き見していた事に気がつく。あれはなんだったのだろうかと。

 てくてく更に歩いて行くと、そこは少年時代の見覚えのある風景が見えてきて、目を疑いながら先へ進んで行くってお話。 

 

『異色短編集』4巻|パラレル同窓会

 

「パラレル同窓会」(第8話)

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©藤子プロ・小学館

 

無数に枝分かれしたパラレルという人生 

極東物産の社長である「高根望彦」53歳が主人公。

 いわゆる成金であり、人生の勝利者であった。自分が望む物はすべて手に入れたが、何か満たされぬ感情があった。 そして、自宅に帰ると誰にも見せることのない小説を書いていたのだ。

 ある日、帰宅して小説を書いていると『パラレル同窓会』の知らせという手紙が置いてあった。

 内容は「日時はその時」で「場所はその所」と二言だけであった。だが、何かが弾け飛ぶような音がした。

 音の正体は、生まれる時は一つの存在だが、選択によって複数に枝分かれしたパラレルワールドの自分には決して出会うことはない。

 だが、ある時が来ると潜在的な記憶の膜が破れて枝分かれして選択した自分の同窓会の入り口が現れる。

 

最後に。

 みんな大好き「藤子・F・不二雄」先生は概要欄にも書きましたが「ドラえもん」「オバケのQ太郎」「パーマン」「キテレツ大百科」などの児童に向けた漫画のイメージが強いと思います。 ですが、真骨頂はこのSF(すこしふしぎな)世界観という大人ファンタジーの社会風刺からきつめのブラックジョーク、さらに鬱でバッドエンドなど考えさせられるものばかりです。

大人になってから読む「異色短編集」はある意味凄く勉強になると思います。 

ではでは!

F先生大好き魁堵(かいと)でしたー!